『THE
RUMBLE FISH 2』は、昨年DIMPSによって製作されたシリーズの続編である。
派手さはないが、洗練されたシステムによって、コアなプレイヤーの心を捕えた、シリーズの最新作だ。ロケテストも入念に行われ、ヘビーユーザーのやり込みにも耐えられる良作に仕上がっている。
去る8月20、21日、この『THE RUMBLE FISH 2』東西対抗戦が開催された。
この東西対抗戦には、関東関西だけにとどまらず、東海地方、四国地方からも、腕に覚えのある強者が参戦。全国のプレイヤーが一同に介する、過去最大規模の大会となった。
2日間に分けて行われた今大会は、2on2大会、シングル大会、形式未定のエキシビジョンマッチ、の三部構成にて開催された。ここでは、それぞれの大会ごとに、名勝負の解説を交えながら結果を振り返っていく。
●2on2決勝戦 ヤシ(カヤ)&中尉(カヤ) vs 白アラン(アラン)&和辻(ベアトリス)
くじ引きによって多種多様なチームが生まれた2on2大会。
この前夜祭とも呼べる大会の決勝へと勝ちあがってきたのは、関東を代表するカヤ使いの
ヤシ氏、同じく関西を代表するカヤ使い中尉氏、によるツインカヤチーム。
対するは、関東アラン代名詞のkogat氏&関西最強アランJ氏、と言う凶悪なチームを、同キャラ戦で2タテし勝ち上がってきた、名古屋の白アラン氏&KO-HATSUランバト堂々2位のベアトリス使い和辻氏。
白アラン氏の勢いを、カヤ2人がかりで止めることができるか?が、カヤチームの突破口となるだろう。
◆先鋒対先鋒 ヤシ(カヤ) vs 白アラン(アラン)
非常に展開の早い先鋒戦。アランの中段(6+SP)をバックステップで避けるヤシだが、中段を空キャンセルAAでフォローして行く。しかしカヤ側も負けず、補正切りの中段を当て身で取って反撃。
一進一退かと思われたが、カヤのJSPがしゃがんでいるアランにスカってしまう!
これを見逃さずに、すかさず反撃を決めきり、白アラン氏が1本先取。
2本目はヤシ氏の天閃(623+P)入力ミスなどから白アラン氏が大きくリードを奪う。
そして、移動起き上がりを確認し、ブーストダイブ発動!
相手の状況確認に大きく時間を使えるため、確定ダメージを奪いたい時に大活躍のブーストダイブ発動。きっちりダメージを奪って、白アラン氏が先鋒戦勝利。
◆大将対先鋒 中尉(カヤ) vs 白アラン(アラン)
再びカヤvsアランのカード。
中尉は正面からの飛込みを駆使し、白アランを画面端へと追い込んでいく。
画面端へ追い込んだ時の、『JLP→JSK→JSP』を使ったループをガードさせ、ガードゲージを大きく奪う中尉。
この『減っていくガードゲージの恐怖』との戦いも、ランブルフィッシュというゲームの面白いポイントのひとつ。我慢できずに、白アランがハイエアーダッジを出したところを、着地にMAXコンボを叩き込み、1本目を先取。
2本目も受身狩りの雪蓮(41236+K)、割り込みの投げをを冷静に決め、中尉カヤが白アラン氏に初めての黒星を付けた。
◆大将対大将 中尉(カヤ) vs 和辻(ベアトリス)
『全然勝ったことないんですよ〜』と、和辻戦には苦手意識を持っている中尉カヤ。
その言葉どおりか、なかなか相手に触ることができない。
空中エアリーディスク(214+K)から大きくリードを奪った和辻は、おもむろにブーストダイブを発動!ボスモードの強力なシューティング能力を生かし、ガードゲージを削っていく。
ガードゲージの減少に焦り、動いてしまった中尉にコンボを決めて和辻が1本目を先取した。
2本目、和辻を画面端へ追い込んだ中尉だったが、その勇み足に空中エアリーディスクが襲い掛かる・・・!
ここからのMAXコンボが決め手となり、和辻氏のベアトリスがストレートで勝利を収めた。
●シングル戦
◆Aブロック決勝 キース(バズウ) vs 和辻(ベアトリス)
KO-HATSUランバト上位同士の対戦カードとなった。
1本目からキースの昇りJSP(中段)を見切り、ヒット・ガード問わず立LPで落としていく和辻。体力のリードを奪われるも、バズウ着地の隙にダッシュLKを差し込み、MAXコンボを決めてラウンドを先取する。冷静な和辻に対して、キース側も慎重な立ち回りへと切り替えた。そこに付け込み、2本目は和辻が激しく攻め立てる。たまらず出したキースの昇りJSPを、ダストテイル(623+P)で落とし、CCアークフレアで大ダメージを奪う。
さらにワンコンボを喰らい、KOか?と思った瞬間、キースがディフェンシブアーツを発動!うまく危機を脱出した。
これで流れを変えられたか、設置したバンクライザー(4タメ6+P)で飛び道具を相殺、設置しておいたバンクライザー(22+任意ボタン)を硬直中の和辻にヒット、そこから受身狩りまでを決め切り、キースが2本目を取り返した。
3ラウンド目、より冷静さを取り戻したキースは、和辻のリバーサルを読み切り、得意のバンクライザー→ジョルトアタックのガード不可連携をヒットさせ、逆転勝利を収めた。
◆Bブロック決勝 天空のキラ(ベアトリス) vs kogat(アラン)
Aとは反対に、RHランバト参加者=関東勢同士のぶつかり合いとなったBブロック。
『空中戦→先に着地しアクセルストライク(236+SP)を投げる→空中ガードした相手に地上攻撃を当てる(ガード不可)』
と言う、アラン必勝パターンのひとつを見事に決め、kogatが流れを強く引き寄せた。
いまいち調子の出ない天空のキラに対し、中段攻撃(6+SP)や、J攻撃2段→J攻撃2段と言ったガークラ連携など、連携の数を増やして対応させずに攻め立てていく。
その中の隙を突き、天空のキラもコンボを数回決めていくが、オフェンスゲージが足りずにアークフレアが出せず、決定打を掴めない。
最後まで攻めの手を緩めなかったkogatが、ダッシュ下SPヒット確認からのMAXコンボでフィニッシュ。決勝へとコマを進めた。
◆Bブロック決勝 K.O(ボイド) vs 白アラン(アラン)
一般的に『弱い』とされるボイドを使い、決勝リーグまであがってきた職人K.O氏。
対するは、前日の大活躍で、名実ともに全一アランの座に就いた名古屋の白アラン氏。
結果を先に言うと勝利を収めたのはK.O氏のボイドだが、ボイドと言うキャラクターの埋もれた能力を最大限に引き出しての勝利であり、ギャラリーも大興奮の一戦であった。
アランの強力な地上けん制を、リーチは無いが判定の強い立SKを置いて潰し、簡単にはペースを握らせない。
ラッシュコンボ→アクセルや、補正切りの中段などは、ためらわずにシャイニーパンチ(623+P)強で割り込んでいく。
もっとも特筆すべきは、空中喰らい後の受け身の取り方。
ボイドの特徴『ジャンプ攻撃が強力』を生かすために、通常のハイジャンプでは横の移動距離を稼げないが、『空中受け身の慣性は各キャラ共通』である事を生かし、反撃を最大の攻撃手段として活用していた。
また、2本目37秒時点での、アランの『アクセル→ジョルト』ガード不能連携を、アクセルを喰らうことで回避するなど、アラン戦の知識がしっかりある事も勝因のひとつである事は間違いない。
◆決勝リーグ戦 A vs B キース(バズウ) vs kogat(アラン)
それぞれアラン戦、バズウ戦の対戦経験は豊富なふたり。
開幕はkogatが読み勝ち。だが落ち着いて空対空を落としてくるキース。そして岩→ジョルト連携がヒット!
大きな体力差をつけて、1本目はキースの勝利となった。
2本目でkogatも調子が戻ってきた。他のプレイヤーを苦しめてきた昇りJSPをグランドダッジでくぐり、そこからコンボを決めていく。
カウント50以降の熾烈な読み合いは、ぜひともその目で見ていただきたい。
体力数ドットまで追い詰められたkogatだったが、投げ潰しの下段始動コンボを決め、2本目を取り返した。
最終ラウンド。ガンガン攻めてくるkogatに対し、ひたすら岩を落として追い払っていくキース。
そして勝負を決定付けたのは、カウント33のkogatの補正切り。この補正切りを投げ暴れで返し、流れを完全に自分のものにしたキースの勝利。
特にこの試合、キースバズウの投げ暴れの強さが光った。ある程度の下段ダメージを許し、ひたすら投げで割り込むスタイルを貫いたキース氏が勝ちを掴めたのだ。
(バズウは通常キャラより若干投げ間合いが広い。)
◆決勝リーグ戦 C vs B K.O(ボイド) vs kogat(アラン)
先ほどの白アラン戦で勝利を収めたK.Oボイド。
K.Oに対しkogatはガードを固め、ボイド側に付き合わずに遠距離から攻めていく。
ボイドの隙に反撃を決めていき、堅実な戦い方でkogatの勝利となった。上手く噛み合わなかった場合、やはりボイド側は苦戦を強いられてしまう。
◆決勝リーグ戦 C vs A K.O(ボイド) vs キース(バズウ)
アースダイブを多用し、近づいてくるK.Oを追い払うキース。
対するK.Oはアースダイブ設置確認シャイニーパンチなどを駆使、キースを追いかけていく。
しかし、JSPをばら撒きながら逃げるバズウを追うのは至難の業。
追っていく間にダメージが積み重なり、最後にはキース得意のIB→投げ、でフィニッシュ。
●シングル戦を振り返る
シングル戦を振り返り、優勝したキースバズウの強さの秘密に迫ってみよう。
特に目に付くのは2点。思い切りのいい投げ。守りに使うアースダイブ。
この2つの得意技を軸として、状況ごとにアドリブを利かせて勝ち進んで行ったのが大きな要因だろう。
特に岩の使い方は秀逸で、相手の連続技を途中で潰し、逆に有利な状況を作っていく。これだけ上手く岩を落とされては、対策の出来ていないプレイヤーにはひとたまりもないだろう。
冬に開催予定の第二回東西対抗戦では、キースバズウを誰が止めるのか?に注目が集まるのは間違いない。
【Text協力:鴫原】
※今回の大会動画は後日、DVDでの配布を予定しています。2on2、1on1、エキシビジョンと出来るだけ多くの試合を収録する予定です。 |